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秋のアーキクチャ祭り2025 TOGAF®10の概要 ~エンタプライズアーキテクチャの新たな地平~

  • 執筆者の写真: 小北洋史
    小北洋史
  • 10月11日
  • 読了時間: 4分

今年のアニュアルカンファレンスは「秋のアーキテクチャ祭り」と題しまして、10月29日、30日の日程で開催されます。その中でIasaが推進する「BTABoK」の他に「TOGAF®」にも触れるセッション、ワークショップがありますが、本コラムでは、TOGAF®とは何か、その成り立ち、そして最新版のTOGAF®10の特徴と実務上のメリットについて解説します。


企業の変革が加速する中、ITとビジネスの整合性を高める「エンタープライズアーキテクチャ」の重要性はますます高まっています。2022年にリリースされた TOGAF®10 は、従来のTOGAF®9.2から大きく進化し、より柔軟でモジュール化されたアプローチを提供しています。


TOGAFとは何か?


TOGAF®(The Open Group Architecture Framework) は、企業アーキテクチャを体系的に設計・管理するためのフレームワークです。The Open Groupによって開発・維持されており、世界中の企業や政府機関で広く採用されています。

TOGAF®は、以下のような目的で活用されます:

     ・ビジネスとITの整合性の確保

     ・複雑なシステムの全体最適化

     ・変革プロジェクトのリスク低減と効率化

中心となるプロセスは「ADM(Architecture Development Method)」であり、ビジネス、情報システム、技術の各アーキテクチャを段階的に設計・実装していく手法です。

TOGAF®の詳細はこちら☟>


TOGAFの成り立ち


TOGAF®の起源は1995年、米国国防総省が開発した Technical Architecture Framework for Information Management(TAFIM) にあります。The Open GroupはこのTAFIMをベースに、民間企業でも活用できるようにTOGAF®を策定しました。

その後、TOGAF®は以下のように進化してきました:

         TOGAF®1.0(1995) :TAFIMをベースにした初期版

         TOGAF®8.x(2003〜):エンタープライズアーキテクチャの実務適用が進み、ADMが確立

         TOGAF®9.x(2009〜):ビジネスアーキテクチャやコンテンツフレームワークが追加

         TOGAF®10(2022) :モジュール化・アジャイル対応・DX支援を強化

現在では、TOGAF®は単なるIT設計手法ではなく、戦略的な経営ツールとして位置づけられています。


TOGAF10の主な特徴


1. モジュール化された構成

TOGAF®10は「TOGAF® Standard」と「TOGAF® Series Guides」に分かれており、必要な部分だけを選択して活用できるようになりました。これにより、企業の成熟度や目的に応じた柔軟な導入が可能です。

2. アジャイルとの親和性

従来のウォーターフォール型EAから脱却し、アジャイル開発やDevOpsとの連携を意識したガイドが追加されました。これにより、変化の激しい環境でもEAの価値を維持できます。

3. デジタル・トランスフォーメーションへの対応

クラウド、AI、IoTなどの技術革新に対応するためのガイドラインが強化され、エンタープライズアーキテクチャが単なるIT管理手法ではなく、ビジネス戦略の一部として位置づけられるようになっています。


業種別の活用事例


【製造業】

グローバルなサプライチェーンとスマートファクトリーの統合において、TOGAF®はIT・OT(Operational Technology)間の整合性を確保。製品ライフサイクル管理(PLM)やMES(製造実行システム)との連携をエンタープライズアーキテクチャで整理することで、品質と効率を両立。

【金融業】

複雑なレガシーシステムと新しいFinTechサービスの統合において、TOGAF®はリスク管理・コンプライアンス対応を含めた全体設計を支援。顧客中心のサービス設計やデータガバナンスの強化にも貢献。

【公共機関・自治体】

行政サービスのデジタル化(GovTech)において、TOGAF®は部門横断的な情報共有基盤の設計に活用。住民サービスの向上とコスト削減を両立するためのアーキテクチャ設計が可能。

【小売・流通業】

オムニチャネル戦略や在庫最適化、顧客データ統合において、TOGAF®はシステム間の連携とデータ整合性を確保。リアルタイムな意思決定支援基盤の構築にも寄与。

【医療・ヘルスケア】

電子カルテ、遠隔医療、医療データのセキュリティ管理など、複雑な規制と技術要件を満たすためにTOGAF®が活用されている。患者中心のケアモデルの設計にも有効。


実務上のメリット


TOGAF®10の導入は、以下のような実務的メリットをもたらします:

意思決定の質の向上:エンタープライズアーキテクチャに基づく情報整理により

  経営層の意思決定が迅速かつ的確に。

     部門間の連携強化 :共通のアーキテクチャ言語を用いることで、ITとビジネスの

            橋渡しが可能に。

     変革のスピード向上:アジャイルなエンタープライズアーキテクチャにより変化への

            対応力が向上。


まとめ


TOGAF®10はこれからの企業の成長や変化に対応できるように、より使いやすく進化したガイドラインです。戦略的な視点を持つエンタープライズアーキテクトやビジネスアーキテクトにとって、TOGAF®10は組織の変革を牽引する強力なツールとなるでしょう。


「秋のアーキテクチャ祭り」は、エンタープライズアーキテクチャやビジネスアーキテクチャの具体的な実践や最新の潮流に触れることができる機会を皆さんにご提供いたします。皆様がたの奮ってのご参加お待ちしております。

<イベントページはこちら☟>

 


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