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ArchiMate 4、正式リリース!

  • 執筆者の写真: 岸川 能行
    岸川 能行
  • 7 時間前
  • 読了時間: 4分

昨年7月、次期ArchiMateの草案として「ArchiMate NEXT Specification, Snapshot 1」が公開されましたが、前回の記事で触れた通り、なかなか大掛かりな変更の予告でした。

 

そのArchiMate 4が、2026年4月に正式リリースされました。The Open Groupの公式サイトでは無償の評価ライセンス(90日間)または非商用の永久ライセンスで仕様書をダウンロードできます。

 

 

スナップショット1から何が変わった?

 

一番気になるのは「プレビューから正式版にかけて何が変わったか」ですよね。

 

結論から言うと、大筋はスナップショット1の通りに着地したようです。ArchiMate Forum ChairのJean-Baptiste Sarrodieは「コンセプト数を約30%削減し、60超の要素から40に絞り込んだ」と述べており、これはスナップショット1の時点で予告されていた「42要素」とほぼ一致します。

 

The Open Groupの公式アナウンスでは「強いユーザーレベルの互換性を持ちながら、前のバージョンからスムーズに移行できるよう設計されている」とされています。

 

 

スナップショットから正式版への主な変更点

 

The Open Groupは正式リリースと同時に「Motivation for Changes in ArchiMate® 4(W262)」という変更理由をまとめたホワイトペーパーも公開しています。スナップショット1のパブリックレビューを経て、コミュニティフィードバックが反映されているはずですが、現時点で把握できている内容を踏まえると、主なポイントは以下の通りです。

 

変わらず正式採用されたもの:

 

- Common Domainの新設(振る舞い要素、ロール、パスの汎用化)

- Hexagonionフレームワーク(「レイヤーのマトリクス」から「ドメインの六角形」へ)

- コンポジション・リレーションの廃止

- カーディナリティの追加

- 要素数の約30%削減


互換性への配慮:

 

スナップショット1の段階で一部懸念されていた「既存モデルへの影響」については、正式版は「継続性と実世界への適用可能性」を優先したとThe Open GroupのCEOが言及しており、不必要な混乱なくアーキテクチャ実践を強化できるよう設計されているとされています。

 

 

改めて「何がうれしいか」を振り返ると

 

前回の記事では「シンプルになった」「AI時代にマッチした」という点を個人的な所感として挙げましたが、正式版リリースのインタビューでもその点は強調されています。

 

Sarrodieは「使いやすく、学びやすくすることが、ArchiMate 4における主要な課題の一つだった。表現力を失わずに小さくすることを目指した」と語っており、まさにスナップショット1のインプレッションそのものです。

 

Hexagonionフレームワークが従来の矩形のレイヤーマトリクスに替わって採用されたことで、ドメイン同士が上下関係ではなく対等なピアとして並ぶ構造になり、ヒトとソフトウェアとAIが同じレベルで動く現代のハイブリッド企業を表現しやすくなっています。前回記事で「縄張り感が薄まった」と書きましたが、それが正式版でも貫かれた形です。

 


ツールはどうなる?

 

前回記事の最後に「ツールでの実装がどうなるか気になる」と書きましたが、商用ツールでは Visual Paradigm がプレリリース段階から積極的に対応しており、正式版への追従も期待できます。

 

一方、無償のオープンソースツールとして多くのユーザーに親しまれているArchi®については、現時点(2026年6月)で公式サイト・GitHubともArchiMate 4対応についてのアナウンスは見当たらず、最新版Archi 5.9.0(2026年4月リリース)も引き続きArchiMate 3.2対応のままです。

 

ただし、心強い事実もあります。ArchiはPhil BeauvoirとJean-Baptiste Sarrodieの二人によって開発・メンテナンスされているのですが、このSarrodie、実はArchiMate Forum Chairとして今回のArchiMate 4策定をリードした人物その人です。「ArchiMate 4を作った人が、Archiも作っている」——対応は時間の問題ではないかと思われますが、続報を待ちたいところです。

 

また、The Open Groupのフォーラム側でも、今後ツールの適合要件(conformance requirements)の策定に取り組んでいくと表明しており、ツールエコシステム全体の整備はこれからが本番という段階でもあります。

 

 

まとめ

 

スナップショット1の段階で「かなり大掛かりな変更」と感じた内容は、おおむねそのまま正式版に着地しました。コミュニティレビューを経て「互換性への配慮」がより丁寧になった印象ですが、哲学的な方向性は変わっていません。


ArchiMate 4はモデルの構造がよりシンプルで機械可読性も高く、生成AIとの連携や自動化ツールとの統合という観点でも、ますます注目される存在になっていくことが期待されます。


仕様書はThe Open Groupのサイトから無償でダウンロードできます。前回の記事でスナップショット1を読んだ方なら、差分確認という意味でも目を通してみる価値はあると思います。人知れず(?)着実に進化を続けるArchiMate、今後もウォッチしていきたいと思います。 



【おまけ】勤め先の社外ホームページで連載始めました!


 

参考リンク

 

- [ArchiMate Licensed Downloads — The Open Group](https://www.opengroup.org/archimate-licensed-downloads)

- [The Open Group Announces ArchiMate® 4 Specification](https://www.opengroup.org/The-Open-Group-Announces-ArchiMate%C2%AE-4-Specification)

- [Discussing the Release of the ArchiMate® 4 Specification — The Open Group Blog](https://blog.opengroup.org/2026/05/20/discussing-the-release-of-the-archimate-4-specification/)

- [Archi — Open Source ArchiMate Modelling](https://www.archimatetool.com/)

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